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            「遺言」(いごん)を作ろう!


 「遺言」法律用語では「いごん」といいますが、一般的にはゆいごんとも言われています。

 遺言には、公正証書遺言、秘密証書遺言、自筆証書遺言があり、公正証書遺言については「公証人役場を活用しよう」をご覧ください。

 ここでは、形式用件さえ備えれば、お金もかからず、タダで自由に何度でも書くことの出来る「自筆証書遺言」について説明します。



「遺言」を書くことの出来る人は

 
 満15歳以上の者は遺言が出来ます。

 15歳というと中学3年生から遺言が出来ることになりますね。遺言については法律行為に制限を受けている、未成年者・成年被後見人・被保佐人も遺言が出来ます。

たとえば未成年者の場合、法律行為には法定代理人の同意が必要ですが、遺言については意思能力がある限り単独で有効にすることができるということです。意思能力で心配なのは痴呆の症状が出ちゃったお年寄りの場合で、病気が進んでしまって物事がわからなくなってしまっては遺言をすることが出来なくなってしまいます。

お元気なうちに「遺言」を残しておくと、残された家族は安心です



 「遺言」は何度でも書き換えることができる!


 遺言書は何度でも書き換えることができます。新しく書き換えた遺言書は新しいほうが有効で、前のものは役に立たなくなります。だから何度でも気が変わったら自由に新しいものを書き換えてもかまいません。たとえば毎年自分の誕生日に作るとか、お正月に作るとか。


 「遺書」と「遺言」は違います!


「遺書」は亡くなった人の最後の手紙だと思ってください。だから、恨み辛みや秘密の暴露、または感謝の言葉など、感情のおもむくまま自由に書いてもらっていいのです。

ところが、「遺言」は違います。「遺言」は亡くなった人の最後の意志に法律的な意味を持たせるものですから、遺言することの出来る事は法律に決められているし、その書き方も民法に定めてあるとおりに従わなければならないのです。

 遺言のできる事項


一、財産に関すること

二、相続に関すること

三、身分に関すること

四、遺言執行者を決めること (成人している者、但し破産者はなれません)

五、祭祀承継者の指定(先祖を祭るものやお墓・仏壇仏具などの管理者を決めること)


 自筆証書遺言の形式的要件!


次のルール(民法968条)を守って遺言を書くことができればいつでも何度でも自由にタダで遺言をすることができるのです。




 書き方で注意すること!


 一生懸命に書いても無効になっちゃしょうがないので、内容の書き方にも注意が必要です。

まずは、明確であること!


 たとえば、「財産は残されたお母さんの面倒を見てくれる子にあげる」と書いても「面倒を見る子」が誰か特定されていないので、内容が不明確として無効とされてしまいます。

 これも無効の例


   「私はすべての財産を妻に、もし妻亡き後は娘の○○に譲る」

 これは「妻亡き後は娘の○○に」の部分が無効になります。理由は妻がいつ死亡するか明確でないから。当たり前ですけど、妻にあげたものを妻が死んだあとに誰にあげるか指定するなんて妻にとっては大きなお世話です。が・・・気持ちはわからなくはありませんけど・・。でも無効です。

それから、法定相続人に対しては「譲る」と書くより「相続させる」と書いたほうが、遺言書に基づいて不動産の相続登記をするときに大いに役に立ちます。法務局で登記をするときに、「譲る」と書いてあると登記原因は遺贈だと言われることがあります。登記原因が遺贈の場合、登録免許税の税率は2.0%になりますが、相続だと0.4%です。相続させるつもりであげるなら「譲る」とか「あげる」と書かずに「相続させる」と書きましょう。もらった人は登記費用が高くならずに助かります。


 愛人やお世話になった方に財産をあげたい場合は「譲る」「贈る」と書いたほうがいいです。


 日付を書くのを忘れないこと!しかも日付は正確に!
 

 遺言書の日付で「昭和41年7月吉日」と書いたために日付の記載を欠くとして遺言書が無効になった判例があります。「吉日」はダメです。1日から31日までのいずれかの数字を使った日付を書きましょう。


それでは「遺言書」の見本を作ってみましょう。


遺   言   書


遺言者は次のとおり遺言する。



第1条 遺言者はその妻 由井 益代  に次の不動産を相続させる。

1 所  在 ○○市○○町一丁目
地  番 11番7
地  目 宅 地
地  積 234.19u

    

2 所在 ○○市○○町一丁目
家屋番号 11番7
種類 居宅
構  造 鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺 2階建
床面積 1階 68.55u  2階 66.07u


     

    

第2条 遺言者はその長男 由井 権一郎 に次の財産を相続させる。

   

1 銀行預金
     ○○銀行○○支店普通預金口座番号○○○○
2 株券  
     ○電力株式○○○株


第3条 遺言者はその長女 由井 真麻留 に第1条の不動産と第2条の財産を除く一切の財産を相続させる。
 
第4条  遺言者は遺言執行者に次のものを指定する。
○○県○○市    丁目  番  号 
遺言執行者 ○ ○ ○ ○    昭和○○年○○月○○日生

第5条 
本遺言書において「相続させる」とあるのはこの遺言の効力発生と同時に遺産分割協議をすることなく上記財産が各相続人に直接、確定的に帰属する趣旨である。

      

本遺言書の6行目「13番6」とあるのを「11番7」と訂正した。由井 権贈

 

平成18年11月 1日

     ○県○○市△町3丁目45

      

由 井  権 贈

  

 



 これで完成です。


書いた遺言書はみなにわかるように保管しておきましょう。

封筒に入れて封印を押す必要はありません。封印された遺言書は家庭裁判所に持ち込んで立会いの下に開封しなければ過料に処せられますのでめんどうです。封印はしないほうがいいでしょう。

遺言の保管者は相続の開始を知ったあとは、家庭裁判所に提出して検認の手続きをしてください。費用は大してかかりません。数百円です。

 

財産がいっぱいあって手書きの自筆証書遺言が面倒だなぁと感じられる方には「公正証書遺言」がお勧めです。成年者の証人2人以上連れて公証人役場に行って作ってもらうといいでしょう。

「公証人役場を活用しよう」をご覧ください。



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